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「北の国から」を訪ねて
『北の国から』(きたのくにから)は、北海道富良野市(主に麓郷地区)を舞台にしたテレビドラマ。フジテレビ系列で1981年から2002年にかけて放送。

 

概要
東京都から故郷の北海道に帰郷して、大自然の中で暮らす一家の姿を描く。脚本は倉本聰。北海道の雄大な自然の中で繰り広げられる。連続ドラマ放送後、8編に及ぶSPドラマが放映された。



協力者
舞台を麓郷とする着想は、富良野に移住した倉本が麓郷で林業を営んでいた人物と出会ったことがその始まりであった。

ドラマに登場する中畑和夫はこの人物をモチーフとしたキャラクターである。
この人物は妻とともにロケ地の提供や撮影への協力を献身的におこないドラマを支えた。倉本は彼を「『北の国から』の全作品を通しての最大の功労者」「彼がいなかったら出来ていない」と記している。

また、彼をはじめとする富良野で出会った人々についてはエッセイ『北の人名録』(新潮文庫)に詳しく記されている。



作品
連続ドラマ
1981年10月9日 - 1982年3月26日金曜日22時からの放送。全24話。
テレビ大賞受賞作品。異例の1年2ヶ月間に及ぶ長期ロケを敢行。

スタート当初は裏番組であるTBSの山田太一脚本による『想い出づくり』に苦戦を強いられ、視聴率も一時は1桁台に落ちたものの尻上がりに上昇し最終回には20%を突破、平均視聴率は14.8%を記録した。
また最終回放送日には各新聞朝刊にお礼広告を出稿。
視聴者から寄せられた投書も1万通を超えた。

主役の黒板五郎は高倉健・藤竜也・中村雅俊・緒形拳・西田敏行・田中邦衛などが候補となったが、一番情けなさそうな田中邦衛を抜擢した

純による東京のガールフレンドに語りかけるナレーションが、物語の語り手となっている。「今日僕は…な訳で」「…しており」「…と思われ」などの特徴的な口調は、同じ倉本脚本のドラマ『前略おふくろ様』で主役を演じる萩原健一によるナレーション手法を転用したものである。

倉本は『前略おふくろ様』で初めてこの手法を使用した際に口調は山下清から流用したが、本作でもそのまま使われる形になった。
後のスペシャル化後はガールフレンドに語りかける設定は無くなったが、このスタイルは踏襲された。

制作費予算は総額約6億円で1話あたり約2,500万円。ただし、倉本によると実際には1話あたり5,000万円近くかかり、放送前の時点で赤字が積み上がったため中村敏夫プロデューサーが心痛から急病で入院することになったという。
連続ドラマでは東京の場面が多いが、これは東京と地方の対比を描きたかったことと前述の番組予算問題のためである。

SPドラマ
連続ドラマの好評を受け、10年単位で子役の成長を追う大河ドラマというコンセプトで、当初から長期シリーズとする予定で開始。
SPドラマでは常時視聴率20%超えを記録した。

放送日・視聴率
1.北の国から'83冬(1983年3月24日放送)- 26.4%
2.北の国から'84夏(1984年9月27日放送) - 24.3%
3.北の国から'87初恋(1987年3月27日放送) - 20.5%

過去の作品も含めて全てがビデオ化され、これがレンタルビデオを通じ新たな視聴者を獲得したと言われる。『'87 初恋』では、シリーズ完結前の「シリーズにおける最高の名場面は?」というアンケートにおいて、「純が汚れたお札を見ながら富良野を旅立っていく」というラストシーンが1位に選ばれている。

4.北の国から'89帰郷(1989年3月31日放送) - 33.3%
5.北の国から'92巣立ち(1992年5月22日・23日放送) - 32.2%・31.7%
 『'87初恋』、『'92巣立ち』が、文化庁芸術祭作品賞受賞。
6.北の国から'95秘密(1995年6月9日放送) - 30.8%
 『'95秘密』以降、ハイビジョンで撮影。
7.北の国から'98時代(1998年7月10日・11日放送) - 25.9%・24.8%
 「フジテレビ開局40周年記念番組」として制作された。
8.北の国から2002遺言(2002年9月6日・7日放送) - 38.4%・33.6%
 「uhb(北海道文化放送)開局30周年記念番組」として放送。
 前編は、『2002FIFAワールドカップ』、『第53回NHK紅白歌合戦』を
 除き2002年の最高視聴率番組。
 中嶋朋子の実子が息子役で出演。
 倉本は、この脚本で第21回向田邦子賞受賞。
 吉岡と恋人役の内田有紀は共演をきっかけに2002年12月結婚した。



登場人物
第1話〜
黒板五郎:田中邦衛 本作の主人公。東京のガソリンスタンドで働きながら一家4人で暮らしていたが、妻・令子の不倫をきっかけに純と蛍を連れて郷里の富良野へ帰ってくる。

その後、令子とは正式に離婚。富良野では、中畑木材の仕事を手伝ったり、小規模の農業や炭焼きなどで生計を立てる。かなりの行動力があり、沢から水道を引いたり風力発電を作ったり、果ては井戸まで独力で掘ったりした。

性格は基本的に温厚だが、頑固なところもあり一度ヘソを曲げると手が付けられなくなることもある。また、初期には内弁慶なところもあり、外で面白くないことがあると家に帰ってから子供たちに当たることもあった。

「'83冬」では内地へ出稼ぎへ行く様子も伺える。
みどりの借金を被せられ土地を追われる危機に瀕するも、村の仲間たちの助けもあり危機を逃れる。

「'84夏」では出稼ぎから帰った当日に丸太小屋が焼失する事件が起き、心身が疲弊する様子が描かれた。

「'89」で再び丸太小屋の制作に着工。
「'92」以降、「アキナ」という柴犬を飼っている。

なお、倉本聰によると、「黒板」という姓は倉本が若い頃に片思いした女性に由来するという。

黒板令子:いしだあゆみ 五郎の妻で、純と蛍の母。美容院「ローズ」(第7話より「ビューティーサロンRei」)を経営している。
学生時代の友人だった吉野信次と不倫したため、夫婦は離婚。その後まもなく、かねてから患う病のために他界。

黒板純:吉岡秀隆 五郎の長男。
第一話の時点では小学4年生。典型的な都会っ子で、当初は東京に帰りたがっていたが、徐々に富良野の生活に馴染むようになる。

性格は気弱で傷付きやすく、おしゃべり。言わなくてもいいことを言ったり、自らの責任を回避しようとして嘘をついて事態を悪化させることもしばしばある。

「'87」では機械を見るとすぐに分解する趣味を持ったため、周囲からはペンチという愛称で呼ばれる。れいと出会い初恋をし、彼女に東京の定時制へ行くのはどうかと吹き込まれる。彼女と一緒に行くはずだったが彼女は夜逃げしてしまい、結局純一人で行くことになる。

中学卒業後は上京し、雪子のところへ身を寄せて働きながら定時制高校へ通う。
「'89」では泥の付いたピン札をめぐり職場の上司と喧嘩し、バールのようなもので怪我をさせ警察沙汰になる。疲れ果てた純は富良野に戻り、父親に丸太小屋づくりを手伝わせてくれないかと打診するも断られる。

ラジオでれいの投稿が読まれたことがきっかけで足取りを追い、れいと再会する。その後はガソリンスタンド等へ勤めるが、「'92」で富良野へ戻り、市の臨時職員としてごみ収集の仕事に従事する。
「'98」では草太の牧場を引き継ぐが、経営に失敗。羅臼へ逃げ、廃棄物処理の仕事に就く。スペシャル以降はあだ名で呼ばれることが多い。

黒板(笠松)蛍:中嶋朋子 五郎の長女で、純の妹。
第一話の時点では小学2年生。令子の不倫現場を目撃してしまったこともあり、当初から五郎寄りだった。幼い頃は五郎に対し従順だったが、成長するにつれて五郎の意思と反する行動を取ることが多くなる。中学卒業後に看護学校へ通った。

「'89」では看護学校へ通う電車の中で出会った和久井勇次と恋に堕ちる。しかし彼も受験勉強のため東京へと去ってしまう。遠くの病院へ通わなくてはならないため、父親を一人残すことにためらいつつも富良野を発つ。

その後、勤務していた札幌の病院の医師・黒木光彦と不倫し、根室市落石に駆け落ちする。黒木の子を身ごもるも黒木には知らせずに別れ一人で産む。笠松正吉と結婚。正吉が借金返済のために離道した後は富良野市内の病院に看護師として勤務する。

北村草太:岩城滉一 北村清吉の四男で共同牧場で働いており、純や蛍には「草太兄ちゃん」と呼ばれている。3人の兄は全員富良野を離れ、東京・札幌・仙台でそれぞれ暮らしている。趣味はボクシングとバイク。女グセが悪く、吉本つららと交際していたのにもかかわらず雪子に横恋慕してしまうものの、結局雪子との恋が実ることはなく、後に飯田アイコと結婚する。

清吉の死後は牧場の規模拡大に勤しむが、半ば強引なやり方は純たちの反感を買うようになった。その直後、交通事故で死亡。「2002」では幽霊となって純の夢の中に現れるようになる。

吉本つらら:熊谷美由紀(現・松田美由紀) 草太の恋人だったが、草太が雪子に浮気した後はないがしろにされる。それが元で家出し、札幌で風俗嬢になってしまった。'84夏に登場するもののそれ以降は登場しない。

中畑和夫:地井武男 五郎の同級生で、「中畑木材」を経営している。様々なことにつけ、五郎たちの世話をしてくれる。夜のバーでは人格が変わり、自分を悲劇の主人公にして架空の話をするという一面も。そのせいで、こごみには陰で「悲劇サン」と呼ばれていた。「2002」で妻を癌で亡くす。

中畑みずえ:清水まゆみ 中畑の妻。
料理がうまいが、しつけには厳しい。「2002」で癌により他界する。

北村清吉:大滝秀治 五郎の父方の伯母の子で、五郎とは従兄に当たる。草太の父。八幡丘で共同牧場を経営している。5人の男子をもうけるが、草太と末っ子を除いてみんな出て行ってしまった。普段は寡黙であまり喋らないが、時折みんなを黙らせてしまうほど説得力のあることを言う。98では他界していた。

北村正子:今井和子 清吉の妻で、草太の母。経営していた牧場を倒産させた後、アイ子とともに富良野を去る。

松下豪介(クマさん):南雲佑介 中畑木材で働いている若い衆。ひげもじゃで、まるで熊のような外見をしている。宮沢賢治が好き。

中川:尾上和 中畑木材で働いている若い衆。

山本恵子:永浜三千子 純の東京時代の同級生。純のナレーションで「拝啓、恵子ちゃん」という語り出しからも分かるように彼女へ向けて話されている。連続シリーズの終盤で家族揃って渡米してしまい、その後は純と会うことはなかった。

宮前(井関)雪子:竹下景子 純と蛍の母方の叔母で、令子とは腹違いの妹。純と蛍には「雪子おばさん」と呼ばれている。
不倫相手の井関利彦との交際に悩み、富良野で純たちと同居するようになった。
草太に好かれいったんは草太との結婚を決意するが、同時期に井関から離婚成立の知らせを受けたことで気持ちが揺らぎ、「'84夏」にて結局は井関と結婚して東京に帰る。井関との間に長男・大介をもうけるが、井関が再び不倫したことで離婚し、また富良野へやってきた。富良野へ来てからは、ニングルテラスにある「森のろうそく屋」で働いている。

北の国から - Wikipediaより



五郎の家を見てみる



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